概要:
格は統語理論において中心的なテーマであり、主題は双方向的コミュニケーションとして言語を見たときに重要な概念である。体系としての言語が形式的な部分をもつことは明らかだが、同時に、効率的な情報伝達の手段でなくてはならないことも明らかである。体系としての整合性と、情報伝達の確実性の両方の要求があるはずであり、それらの方向性は一致するときもあれば齟齬を見せるときもあるであろう。そして、様々な言語理論の評価の方法として、その二つの側面をどの程度重要視するか、という点にもとづいて、「形式文法」「機能文法」という分類も生んだ。様々な言語現象が形式的な側面そして機能的な側面から考察され得、また実際されてきたが、本プロジェクトはm、文中に現れる名詞の形式的な表現である格と、機能的な表現である主題とのかかわりをそれぞれの研究の視点から追求するものである。
研究代表者: 杉浦 滋子(外国語学部・教授)
研究分担者: 坂本 比奈子(外国語学部・教授)
研究協力者: 今村 泰也,斎藤 茂(以上,麗澤大学大学院言語教育研究科 博士後期課程)
概要:
音韻論の類型論的研究は従前、母音・子音・声調及びプロソディーを中心に行われてきた。就中、声調の研究は1980年代に盛んに論じられたが、近年は当時に比べて参照可能な言語データが飛躍的に増大したにもかかわらず、方法論的には研究の進展が看られるとは言い難い状況である。
本プロジェクトでは、音声・音韻の類型論的研究で扱われることの無かった「子音連続 (Consonant Clusters)」をテーマとし、特に東アジア・東南アジアの諸言語を題材として、子音連続の組み合わせを類型論的に考察し、言語理論に対する横断的な貢献を目指す。
また、ベトナム語のように嘗て第二要素を流音とする子音連続が存在したことが文字資料にその痕跡をとどめる言語や、チベット語のように文語と口語における綴りの乖離が甚だしい言語においては、本研究が、共時態から通時的変化の一端が示唆される現象も少なくなく、共時態から通時的変化の類型を予測することが可能になると思われる。
研究代表者: 西田 文信(外国語学部・助教)
研究分担者: 三上 直光(慶応義塾大学言語文化研究所・教授) George van Driem(ライデン大学 南・中央アジア研究学部・教授)
研究協力者:大野 広之(慶応義塾高校・講師)
概要:
近年、学習者の受容的語彙能力を測定し、その結果から英語コミュニケーション能力を推定することに関心が向けられるようになってきた.
これまでも国内外において,様々な受容語彙サイズ推定のためのテストが開発されてきたが,「推定」という言葉が示すとおり,現存する全ての英語の単語の習得度合いを調査することは非常に困難を極める.そのため,一般的には,複数にわたる1000語毎のリストを用意し,その中からランダムに30語ほどのサンプルを抽出し,それらの語の正解率から,個々の学習者の語彙数を推定するという方法が採られている.この場合,サンプルの一語は約33語を代表している計算になる.しかしながら,実際は一語に回答する際の「自信度の指標」によりサンプルの一語が代表している語数が変化して然るべきであると考えられる.
よって本研究では,受容語彙サイズ推定の計算に自信度の指標を組み込んだ上で,これまで以上に精緻な語彙サイズ推定が行えるテストを開発することを目的とする.
研究代表者: 磯 達夫 (外国語学部・助教)
研究分担者: 相澤 一美(東京電機大学工学部・教授)
概要:
これまで本学における中国語教育では、学生の中国語能力を客観的に測定しそれを分析し教学に生かすという確認する側面が強く、学習者の中国語能力を総合的かつ客観的に判断するものではない。よって教員は自らの授業における経験の蓄積によって経験的に学習者の弱点を把握するしかなかった。
ここ数年、中国語の能力を測る試験として汉语水平考试(以下HSK)が普及し、学習者はある程度自分の能力を客観的に知ることができるようになった。さらに本学では2005年度から現代GP実施に伴う麗澤版中国語能力試験(以下GPテスト)の作成が進行中であり、来年度に3種類のGPテストが完成の運びとなる。
本研究では、学習者の能力を客観的に把握する作業の第一歩として、HSKおよびGPテストから考察の対象を文法の分野に絞り、試験結果を分析することによって、学習者の文法的知識の習得状況を具体的に検証することを目的とする。
研究代表者: 斎藤 貴志(外国語学部・助教)
研究分担者: 鈴木 誠(外国語学部・教授)
概要:
The goal of this research project is to build and subsequently interrogate a learner corpus. The corpus will be compiled from samples of writing of first, second and third year university students. Learner corpora are aimed at describing and analyzing the language of learners and in some cases, specific groups. It is the goal of this research to investigate the language of Japanese university students and illuminate patterns of use and misuse which emerge. Reports of teachers and relevant literature will guide the analysis and interpretation of data. Tentative areas for analysis include grammatical, lexical and rhetorical features. It is hoped that the results will yield further understanding of the unique needs of Japanese learners and form a needs analysis from which curricula may be informed.This research will leave a valuable resource in the form of a corpus which may be further expanded and investigated by others.
研究代表者: Andrew Nicolai Struc (外国語学部・講師)
研究分担者: Nicholas Wood (外国語学部・非常勤講師)