麗澤大学言語研究センター

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言語研究センター 平成21年度 (2009年度) プロジェクト

平成21年度採択プロジェクト一覧

2009年4月現在,採択が決定している2009年度の公募研究プロジェクト (研究期間:平成20年4月1日~平成21年3月31日)は以下のとおりです。

言語情報学 (1): チョルティ マヤの辞書

概要:

シナ=チベット諸語チョルティ マヤ語の辞書製作に必要な情報の収集(特に様々な動詞、植物や花などの名前、薬草の利用法など)

研究代表者: ハル、ケリー(外国語学部・准教授)

言語理論 (2): ニューギニア島諸語における場所表現に関する研究 -言語類型論と歴史言語学的観点から―

概要:

 ニューギニア島は島の半分のうち,東側がインドネシア(イリアン=ジャヤ)で西側がパプアニューギニアである.ニューギニア島では,いわゆるパプア系(イリアン=ジャヤ側)及びニューギニア系(パプアニューギニア側)と呼ばれる土着の言語,オーストロネシア系言語,そしてクレオールであるトクピシン,ヒリモトゥという、3系統の言語が混在し、島全体で1000語以上の言語が話されている.地理的には島の高地及び内陸部にパプア系とニューギニア系の言語が多く,これらの言語を話す人々は,8000年以上前から島に居住する民族集団である.一方,3000年前から船でオーストネシア系言語を話す集団が海岸部及びニューギニア周辺の諸島群に到着し、定住するようになった.さらに,18世紀後半から19世紀初期にヨーロッパ・オーストラリアなどの植民地政策により,トクピシンというクレオールが誕生し,パプアニューギニア,ソロモン諸島,ヴァヌアツなどのメラネシア地域に広く普及した.
  本研究では,ニューギニア島諸語における場所表現に注目し,その形式と機能を整理する.特にFROM, TO, IN, ONなど,基本的な場所表現と,OVER, THROUGH, ABOVE, UNDERなど,複雑であったり特殊で会ったりする場所表現に関して,調査言語でどのような形式をもつかを調べる.例えば,ハンガリー語やフィンランド語のように格の多い言語であれば,多くの場所表現が格で表される.また,英語やトクピシンのような格を持たない言語では,場所表現は前置詞や後置詞などの設置詞で表される.この場所表現の調査については,パプア系・ニューギニア系,オーストロネシア系,トクピシンに加えて,言語類型論的な観点から印欧語,ウラル語,北米,南米,アジア,オーストラリア等の言語についても同時に調査する.この調査を通して,以下の点を検証する.
・ニューギニア島独特の場所表現が存在するかどうか
・パプア系,ニューギニア系,オーストロネシア系で形式の相違がどの程度存在するか
・クレオールであるトクピシンと現地語(パプア系,ニューギニア系)の影響や類似
・言語類型論的なデータから見た,ニューギニア島の言語の普遍性や特殊性 

研究代表者: 野瀬 昌彦(外国語学部・助教)

応用言語学・語学教育 (1): Investigating Japanese Learners' Language Development Through a Longitudinal Learner Corpus

概要:

The goal of this research project is to further extend research into learner writing begun with the Reitaku Corpus of Learners' Texts initiated in 2008. The expansion will begin by making the initially cross-sectional corpus developed in 2008 into a longitudinal corpus by collecting writing samples of second year students in the writing program. Since these students' writing samples are already included in the existing corpus, it will now be possible to track the developments of the group as a whole as well as individual students between the outset of their first and second year of writing instruction.The same two types of writing samlples (narrative and argumentative) will be collected for analysis of features of writing particular to these genres. The areas for analysis begin with those from the previous year's study, i.e., use of grammar, lexis and rhetorical cohesive devices. Similar patterns of development are expected to be found in the cross-sectional data. While the previous year's corpus analysis showed many positive trends in improved grammatical accuracy, fluency and use of rhetorical/cohesive devices, the researchers observed other problematic areas which were masked by the scope of investigation . Therefore, the broad analysis will be followed by more in-depth analysis of particular problematic areas which have emerged in the previous year's study. Specifically,a reanalysis of the previous year's corpus will identify categories of consistent grammatical and lexical errors. The entire corpus will then be interogated to find evidence of these errors and attempt to show patterns of misuse in both lexis and grammar. These findings will then inform instructional objectives in the writing program. In expanding the corpus and adding a longitudinal component, this body of data will be invaluable for other researchers of second language aquisition and learning at Reitaku University.

研究代表者: Andrew Nicolai Struc (外国語学部・助教)

研究分担者: Nicholas Wood (外国語学部・非常勤講師)

応用言語学・語学教育(2):「項目応答理論に基づく受容的語彙のアイテムバンクの作成

概要:

 本研究は,項目応答理論に基づいて受容的語彙サイズテストに用いられるアイテムバンクを作成することを目的としている.
  受容的語彙サイズテストはこれまで国内外でいくつか作成されている.これらのテストでは,テスト項目,すなわち出題される語は基になる語彙表から一定の法則に従って抽出されている.さらに,これらの語彙表は頻度情報を主とする基準でレベルわけされており,テスト作成者は,各レベルから一定の割合の語を抽出している.これにより,語彙表の全ての語をテストせずに,抽出された語に対する正解数から語彙表全体の語に対する知識を推定している.
  しかしながら,このような方法で作成された受容的語彙サイズテストにはいくつかの欠点が存在する.その最たるものは,同一の語彙表を基に作成した複数のテスト間における関係性を明らかにすることが困難である事である.これは各問題項目の難易度が特定されていない事に起因する.このような状況下では,例えば時間的経過に伴う被験者の語彙サイズの伸張を正確に測定することはできない.
  そこで本研究では,より正確な受容語彙サイズの測定を行うために,項目応答理論に基づいて同一の問題項目を含む複数の版の語彙テストを作成し,結果として得られるデータを用い,各問題項目の難易度を算出したアイテムバンクを作成することを目的とする.この研究により,難易度を等しくする複数の受容語彙サイズテストを作成することが可能となるだけでなく,将来的には,Computer Adaptiveな受容語彙サイズテストを構築することができる.上にも述べたが,本研究の目的は,アイテムバンクを構築する事であり,Computer Adaptiveテストを作成することではないが,本研究はそういったテスト作成に向けての基盤を作る重要な研究である.

研究代表者: 磯 達夫 (外国語学部・助教)

研究分担者: 相澤 一美(東京電機大学・教授)

応用言語学・語学教育 (3):JSL児童生徒への学習支援研究

概要:

現在の日本においては、日本語に関する支援の必要な児童生徒が多く存在する。これらの児童生徒が日本社会の中で自立して社会の生産的な一員となるために教育が必要であるのは明らかであるが、そういった支援の提供状況はそれぞれの地域において等質ではなく、またまだまだ改善の余地も多いと思われる。本研究は、どのような支援体制・支援方法が望ましいかについてのパイロット・スタディである。 まず、支援体制の研究として、JSL児童生徒への支援が充実している地域での支援体制の実際を調査する。そういった地域では行政からの支援、民間からの支援、児童生徒の所属する教育機関からの支援がどのようなものか調べる。また、それぞれがどのような支援をしているかということはもちろん、それらがどのように関わり合っているかを調べ、それらの地域での成功の原因について考察する。支援方法の研究としては、同じようにJSL児童生徒支援が活発な組織において、どのような支援方法がとられているか、人的・物的資源としてどのようなものがあり、それらがどのように活用されているかを調査する。その中で、どのような人的・物的資源がどのような支援方法を可能にするかを考察する。 上記の支援体制の研究・支援方法の研究は現在支援が充実している地域での状況の調査・分析であるが、この成果をもとにして支援が不十分な地域でどのような取り組みが可能か、また今後日本各地において支援がどのような形で進んで行くべきかという研究の基礎としたい。

研究代表者: 杉浦 滋子(外国語学部・講師)

研究分担者: 長谷川 教佐(外国語学部・教授)

研究分担者: 加藤 あさぎ(外国語学部・非常勤講師)

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